不妊症と不育症
不妊症
生殖年齢の男女が妊娠を希望し、1年以上避妊せず性交を行っているにもかかわらず、妊娠の成立を見ない場合をいいます。また、一定期間を一年間としていますが、生理不順や排卵障害など明確な妊娠しにくい要因が判明している場合や、高齢などで時間が限られ、加齢による妊娠率が低下するのを恐れている場合などは、一定期間を置かずに検査や治療を開始することもあります。不妊症治療を始めるにあたっては、不妊症を夫婦の問題として捉えて、お互いを思いやって一緒に取り組む姿勢が非常に重要です。当院では、まず不妊症スクリーニング検査(ホルモン検査や婦人科検診、超音波検査など)で不妊の原因検索を行い、ご夫婦に最適な治療プランを検討していきます。
当院では、タイミング法・クロミフェン/HCG療法・HMG/HCG療法などを行っております。手術が必要であったり、体外受精以上の治療をご希望の場合や何度か行なっても妊娠しない場合は、速やかに連携する不妊治療専門施設・総合病院などをご紹介します。
不育症
妊娠はするが、流産・死産を繰り返してしまい、生育が得られない状態と定義されています。習慣流産(流産を3回以上繰り返す)も、不育症と同じ意味で使われています。
当院では不育症スクリーニング検査(抗リン脂質抗体検査・内分泌学的検査・子宮形態評価・血栓素因検査)を行うほか、必要に応じて流死産絨毛・胎児組織染色体検査・夫婦染色体検査を行い原因検索を行い、ご夫婦に最適な治療プランを検討していきます。不育症の明確な原因が判明した場合は、その原因に応じた治療を行い、原因が分からない場合は治療ではなく、経過観察を検討します。不育症の50%以上は原因不明とされますが、不育症専門外来で検査・治療の経験があるご夫婦の85%が出産できると報告があります。なかなか相談できずにお悩みの方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
パートナーやご家族・ご友人のみなさまへ
不育症と診断された女性は非常につらい思いをしています。
なんらかの強い心のストレスを抱え、悲しい出来事による憂鬱感・喪失感・不安感・怒り・拒絶・夫婦関係の不和などが、次回の妊娠に大きく影響を与えます。そばにいるご家族やご友人には、ご本人のつらい気持ちに寄り添いながら、ご理解いただけるよう宜しくお願い申し上げます。